虫歯で神経治療が必要な状態とは？歯医者で判断する際の検査・治療の流れ

2025年5月27日 (火)

カテゴリー：根管治療

「虫歯がひどくなってしまったけど、神経は抜かないといけない？」「神経を抜くって痛そうで不安…」そんなお悩みをお持ちではありませんか？虫歯が進行すると、歯の内部にある神経まで炎症が及ぶことがあります。この場合、神経を抜く「根管治療（こんかんちりょう）」が必要になることもありますが、すぐに抜くとは限りません。今回は、神経を抜くような虫歯の状態やその判断基準、治療の流れや痛みについて、詳しく解説していきます。

1.神経治療が必要な虫歯の状態とは？放置するとどうなる？

神経まで達する虫歯は、いわゆる「重度の虫歯」です。軽度の虫歯ではエナメル質や象牙質までの進行に留まりますが、これがさらに悪化すると、歯の中心部にある神経（歯髄）に達して炎症や感染が起こります。
神経の治療（根管治療）が必要になる虫歯の状態は、主に以下のようなものです。

1.強い痛みがある

ズキズキとした持続的な痛みがある場合、炎症が神経にまで到達し、痛みを引き起こしている可能性が高いです。特に夜間や食後に痛みが強くなりがちです。

2.冷たい・熱いものがしみる

温度に敏感になり、飲食するたびにしみるような感覚がある場合、歯髄にまで虫歯が進行している可能性が高いです。

3. 何もしていなくても痛む

これは自発痛（じはつつう）と呼ばれ、炎症が神経の奥まで進んでいるときに見られます。

4. 歯ぐきが腫れる・膿が出る

炎症が進んで神経が死んでしまうと、歯の根の先端に膿がたまり、歯ぐきが腫れることがあります。歯の根の先に膿がたまる「根尖病変（こんせんびょうへん）」という状態になると、さらに治療が難しくなることもあります。

5. 放置すると起こるリスク

虫歯を放置すると、炎症が進み神経が死ぬため、痛みが一時的に消えることがあります。しかし、これは治ったわけではなく、放置すると顎の骨にまで炎症が及び、大掛かりな治療となることもあります。全身の健康にも影響する可能性があるため、神経に達した虫歯は早期の治療が重要です。

2. 歯医者が神経を抜くか判断するポイント

歯科医師は、虫歯の進行度や症状、検査結果をもとに「神経を抜くかどうか」を慎重に判断します。見た目だけでは判断せず、いくつかの検査を行って総合的に診断します。どのようなものがあるか、以下に挙げていきます。

1. 視診・問診

まずは歯の痛みの有無、冷たい・熱いものでしみるかなど、患者さんからの情報をもとに、虫歯の大きさや位置などの歯の状態をチェックします。

2.レントゲン検査

歯の内部や根の先の状態を確認するために、レントゲン撮影を行います。これにより虫歯の範囲や神経に達しているかどうか、根の先に病巣があるかなどがわかります。

3. 打診・温度診

歯を軽くたたいたときの反応や、冷たい風を当てたときのしみ方などを調べて、神経が生きているか、炎症を起こしているかを確認します。

4. 電気診（電気歯髄診断）

歯に微弱な電流を流して、神経の反応を調べる方法です。反応がない場合、神経がすでに死んでいる可能性が高くなります。この検査は省略されることもあります。

5. 神経を残せるかどうかの判断

歯科医師は、できる限り神経を残す治療（歯髄保存療法）を目指しますが、炎症や感染がひどい場合は、やむを得ず神経を抜く処置（抜髄）が必要になることもあります。

神経を抜く治療の際には、歯科医師による診断と説明を受け、納得したうえで治療に進むことが大切です。

3. 虫歯での神経治療の痛みとは？通院回数や麻酔の効果

神経を抜く治療は、「すごく痛そう」と不安に感じる方が多いですが、実際には麻酔が効くため、治療中の痛みは抑えられることが多いです。しかし、人によっては違和感や軽い痛みを伴うことはあり、個人差があります。ここでは、神経治療の痛みや治療の手順と回数について、整理してみましょう。

1. 治療中の痛み

多くの場合、治療前に局所麻酔を行います。麻酔注射そのものの痛みを抑えるために表面麻酔を行ったり、極細の針を使う工夫で、注射の痛みを抑えるようにしています。麻酔が効いている場合は、痛みを感じにくくなります。

2.治療後の痛み

神経を除去した後は、歯の根の先や周囲の歯ぐきが、一時的に炎症を起こすことがあります。治療当日は軽い鈍痛や違和感が出ることがありますが、多くの場合、数日で治まります。必要に応じて薬が処方されるため、何かあれば早めに歯科医院に相談しましょう。

3. 無痛治療を希望する場合

麻酔が効きにくい方や、歯科治療に強い恐怖心がある方には、笑気麻酔や静脈内鎮静法を用いた治療に対応している医院もあります。歯科医師に相談していただき、負担の少ない治療を模索していきましょう。

4. 神経治療の通院回数

神経治療（根管治療）は1回で終わることは少なく、通常は以下のステップに分かれて行われます。

・初回：虫歯の除去と神経の状態確認
・2回目以降：感染した神経（歯髄）の除去と洗浄
・最終回：根管の封鎖とレントゲン、被せものの準備

虫歯の状態や感染の程度によって異なりますが、3〜5回程度の通院が目安です。間隔は数日〜1週間ごとで、痛みや炎症が落ち着くのを見ながら進めていきます。

神経治療は回数がかかる分、不安も大きくなりがちですが、必要に応じて麻酔も行って進めます。

4.西宮北口の歯医者あかお歯科医院の虫歯治療

「歯がしみる」「噛むと痛い」「穴があいている気がする」そんな虫歯の症状にお困りではありませんか？
西宮北口から徒歩6分の歯医者あかお歯科医院では、患者さんの不安に寄り添いながら、痛みに配慮し、できるだけ歯を削らず・抜かずにすむ虫歯治療を心がけています。

1. 痛みに配慮した、できるだけ削らない治療

あかお歯科医院では、「自分が歯医者で治療を受ける立場だったら」という視点を大切に、患者さんにとって本当に必要な虫歯治療の提供を目指しています。「痛みの少ない治療」「できるだけ削らない・抜かない治療」を心がけ、丁寧で誠実な診療に努めています。電動麻酔器や表面麻酔を活用し、麻酔時の痛みにも配慮しています。